[MDREX NEWSLETTER] 「実損型医療保険に関連した韓国の自由診療管理体制導入について」
「実損型医療保険に関連した韓国の自由診療管理体制導入について」
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MDREXよりご挨拶申し上げます。
近年の医療政策環境の変化を受け、韓国では自由診療(保険外診療)に対する管理の在り方が大きく見直されつつあります。これらの動きは、自由診療領域に関与する医療機器および医療技術にとっても、今後の事業戦略に重要な影響を及ぼすものと考えられます。本ニュースレターでは、関連する主要な政策動向と、その示唆についてご紹介いたします。
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政府が介入に踏み切った背景
健康保険審査評価院が公表した「2026年 保健福祉部長官業務報告資料(国政課題86番)」によると、政府は「自由診療による患者負担軽減のための管理体制の導入および運営」を重点政策課題に位置付け、制度の本格的な運用に着手する方針を明らかにしました。
これまで自由診療は、市場原理に委ねられた領域とされ、価格設定、診療基準、適正使用に対する公的管理は限定的でした。しかし、実損型民間医療保険と結び付くことで、医療的必要性を上回る利用の増加、特定項目における過剰診療、過度な保険金支払いといった問題が指摘されてきました。こうした状況が医療制度の歪みや医療費増加、さらには患者安全上のリスクにつながるとの認識が、今回の政策転換の背景にあります。
「管理給付(Managed Reimbursable)」とは
こうした課題に対応するため、政府は過剰利用の懸念が高い一部の自由診療項目を「管理給付(Managed Reimbursable)」へ再分類する方針を示しました。
本制度の下では:
- 患者自己負担率は95%を維持
- 適正価格および診療基準を公的に設定
- 過剰診療や不適切な利用を抑制するための管理・監督を強化
といった枠組みが導入されます。
対象となる主な診療項目
2025年には、管理給付への転換候補として5項目が検討され、そのうち以下の3項目が管理給付対象として選定されました。
- 徒手療法
- 経皮的硬膜外神経形成術
- 放射線温熱治療および温熱治療計画
そのほかの対応として:
- 体外衝撃波治療:医療界主導による自主規制案の策定を予定
- 言語療法:適応症別の治療必須性に関する追加検討後、再協議予定
今後の見通し
政府は今後、「選別給付の指定および実施等に関する基準」告示を改正し、管理給付に特化した新たな評価基準を導入する予定です。評価においては、以下の要素が考慮されます。
- 治療の臨床的必要性
- 社会的価値
- 国民医療費負担軽減への寄与
管理給付として選定された項目については、価格および給付基準の検討を経た後、関連委員会による評価・審議が行われ、2026年上半期中の給付転換が見込まれています。
選定プロセスは以下のデータを基盤として進められます。
- 年2回実施される自由診療報告制度
- 標本医療機関を対象とした詳細調査
- 診療量、価格、増加率、医療費動向等の継続的モニタリング
これらの情報は、医療関係者、患者・消費者団体、専門家が参加する協議体において総合的に検討され、最終判断が下されます。
まとめ
今回の政策変更は、単なる自由診療項目の給付化にとどまるものではありません。自由診療を基盤とする医療機器・医療技術にとって、以下の点に影響を及ぼす構造的な変化と捉える必要があります。
- 事業モデルおよび価格戦略
- 市場参入・アクセス戦略
- 臨床エビデンスおよび価値訴求の在り方
今後は自由診療領域においても、臨床的必要性および社会的価値を明確に示すことが、これまで以上に重要になると考えられます。
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MDREXでは、これらの政策動向が医療機器産業および市場戦略に与える影響を継続的に分析し、実務に即したインサイトをご提供してまいります。ご不明点やご相談がございましたら、どうぞお気軽に pro@mdrex.co.kr までお問い合わせください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
MDREX
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